あいはぐ♡トークセッション【甲賀市結婚支援員の平井 博さんとおしゃべり】
「タイパ、コスパの時代ですから、
婚活も“1度のお見合いで成立”を目指すべきでしょうか?」
甲賀市在住・Kさん(仮名)
急いては事を仕損じる、とも言います。一度でお付き合いが成立しなくても、何度でも相談に来てくれて、我々支援員と気心が通じ合うようになればいいんですよ。
相談会を「憩いの場」と思って来てくれるとうれしい。
「結果を焦らないで」とお話する理由は、登録者さんがどういう人か分からないと婚活もうまく進まないからです。身の上話をしにくる、会社であったことを話す、親の愚痴を言う……話す内容は婚活の話でなくても構いません。支援員にとって雑談は登録者の人となりを観察し、魅力を発掘できるチャンスなんです。
例えば、映画に詳しい登録者さんがいます。まだ情報誌にもネットにも出てないうちから公開のタイミングを知っている。不思議に思ってどこから入手するのか尋ねてみると、海外で先行上映されているのを見るのが好きだと話してくれました。「英語なんて分からなくても十分楽しい!」と目をキラキラさせて話してくれる様子が何とも魅力的。12月には映画好きな女性との出会いを控えているので成り行きを支援員一同楽しみにしているところです。
不成立からも教訓は得られる。
また別に、こんな話もありました。
男性の登録者さんで頭から「このお見合いはきっとうまくいく」と決めてかかっていた人がいました。「早く家族に紹介したい」「家のことを本人に伝えたい」という気持ちが先走って、「親と一緒に住んでほしい」と早々に同居を切り出したらしいんです。このケースでは結果的に女性からお断りされてしまいました。
今度、彼が来てくれた時に話そうと思っている教訓は「順番」です。
まずは女性を好きになるのが先。結婚相手として、まずお相手と1対1の関係を作り上げることが大事です。自分のことでいっぱいになっていてはいけません。相手の要望を先に聞いて相手を尊重することで、人間関係を築きやすくなります。それを聞かずに自分のことばかり話していても、女性の心は動かない……これは私自身の体験からも自信を持ってアドバイスできることです。
不思議なご縁はタイパ&コスパでは測れない。
とはいえ、私たち支援員にも分からないご縁もあります。
私が登録に立ち会い、担当になった女性のエピソードです。彼女は気さくでオープンな性格。本人が希望した相手との出会い以外に、「この女性だったら、こういう男性が良さそう」と生来のおせっかい根性も発揮し、複数の方とのお見合いをセッティングしました。ところが数回の出会いを経験してもうまくいかなかったんです。
そんな時、別の支援員から「紹介したい」と言われ、お見合いから1週間で成立し、すぐに結婚。
彼女はお父さんと2人暮らしで、親に心配をかけたくないと思うと同時に、一人残される父親のことを案じていて、別居するにしても遠く離れていない距離で、と希望していました。「まず相手と1対1の関係を作り上げるのが大事」と言いましたが、家族の問題はやはり見逃せないファクターです。本人同志の相性がもちろん一番大切ですが、お互いの様々な状況や条件が合致し整うことで、スムーズに結婚へと結びつくこともあります。本当に「ご縁」としか言いようのない出会いでした。
■甲賀市結婚支援員・平井さんのPROFILE
銀行勤務の傍ら、日本陸連公認審判員としても活躍。定年後はコンプライアンスオフィサー認定資格を生かし、甲賀市人権教育支援員を10年、甲賀市結婚支援員を4年務めている。結婚生活では三世代同居の経験者。